貴腐ワインとは(主な産地・ブドウの種類・成分)

貴腐ワイン

 

このサイトでは、
貴腐ワインのことについて
少し詳しくまとめています。

貴腐ワインとは?から始まり、

その成分や、
どのようにして作られているのか?

また、貴腐ワインにあう食事や
おつまみまで紹介しています。

 

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貴腐(きふ)ワインとは普段聞きなれませんが、
一言で言えば腐ったブドウで作られたワインのことです。

ここで大切なのが、何のブドウでどう腐っても構わない訳ではなく、
特定のブドウ種が特定の菌(カビ)によって腐ることを貴腐と呼びます。

貴腐化したブドウで作られたワインは極甘口で、
食前酒若しくは食後酒として飲まれます。糖分は45%程あるものもあり、
長く保存できることが特徴です。

ブドウを貴腐させる菌はBotrytis cinereaと呼ばれます。
これは古代ギリシャのブドウという意味です。
この菌はいたるところにあります。

例えば、冷蔵庫に数日入っていたイチゴにカビが生えてしまった
という経験がおありの方はいるでしょう。
ここでイチゴに発生した灰色のカビもBotrytis cinereaです。

ただ、この菌は基本的にカビであって、
植物を腐敗させる悪玉なのです。

ところが、このカビがある特定のブドウの種類に発生し、
尚且つブドウがそれに最適に成熟した状態であり、また気温、
湿度等の外的要素がバランスよくマッチした時に菌は成長することが出来るのです。

夏の終わりから秋にかけての日照量や温度が条件を満たしていない場合には、
菌はうまく成長出来ず、ブドウを単に腐敗させるだけとなります。
この貴腐菌(灰色カビ)が上手く成長するためにいくつか不可欠の条件があります。

ブドウが収穫された際のエクスレ度
(° Oe:ワインの糖分若しくはアルコール度の単位)が
80度(アルコール度にしておよそ10.6度)を超え、

温かい秋の天気が続いた際に発生します。早朝の霧が発生する時期で、
尚且つ日中の気温がある程度ないとブドウが乾かなくなります。
このような環境が整っているブドウの産地は限られています。

この貴腐ワインが最近注目を集め始めたのは、
その高貴な味のためだけではなく、赤ブドウから作られた
貴腐ワインに多くのレスペラトロールという抗酸化物質が
含まれるということで、がんの予防に効果を発揮するという理論です。

ブドウは貴腐菌がついてから、
病気が進まないように抵抗します。
人間の体と同じですね。

その過程でたくさんのレスペラトールが作り出されるのです。

貴腐ワインの主な産地

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貴腐ワインはどこのブドウの産地でも作れる訳ではありません。
夏の終わりから秋にかけて早朝の霧がポイントで、
更にブドウが乾くために日中の温度がある程度高くないといけません。

貴腐菌がブドウを壊すことなく効果的に繁殖することが出来る環境は、
産地の温度、湿度、高度、日照量と様々な要素がバランスがよく
組み合わさらないといけないのです。

ここで、世界の代表的な貴腐ワインの産地を以下に挙げてみましょう。
フランスのソーテルヌ、アンジュ、ドイツのモーゼル、ラインガウ、
スロバキアとハンガリーの国境にあるトカヤ等が有名です。

フランスのソーテルヌはボルドー地方にあります。
ここではセミヨン種の白ブドウが作られます。
明るい緑色のワインで、皮が薄いために貴腐菌がつき易いのです。

同じくフランスのアンジュはロアール地方にあり、ワインのメッカの一つです。
このアンジェで西暦900年頃から作られているシェニンブロン(Chenin Blanc)
という名の白ブドウは、貴腐菌が成長しやすい一種です。

アンジュではこのブドウで甘い貴腐ワインばかりを作る訳ではなく、
スパークリングワインも作られています。

次に貴腐ワインの名産地ドイツのモーゼルでは、リースリング(Riesling)や
ショイレーベ(Scheurebe)といった種類のブドウが貴腐ワイン用のブドウとして作られています。
リースリングはとてもフルーティーで香りが強く、酸味の高いブドウとして知られています。

同じくドイツのラインガウでは、
このリースリング種のブドウが大規模に生産され、
その畑は3000ヘクタール以上にも及びます。

モーゼル地方には沢山のワイン産地がありますが、
夏から秋にかけては、各ブドウ農家がこぞってワイン祭りをします。
スパークリングワインに始まって、白赤のワイン、
そして貴腐ワインまでその年のワインの出来を披露するのです。

このワイン祭りには、世界中からワインファンが集まります。
トカヤはトカイ-ヘギアリア(Tokaj-Hegyalja)というハンガリー北部の
スロバキア国境と接する地方で作られるブドウの名称です。

このトカイ地方はユネスコの世界遺産にも登録されていて、
ブドウ畑は5800ヘクト-ルにも及び農産業の重要な一部を占めています。
トカヤの貴腐ワイン世界3大貴腐ワインと称されています。

貴腐ワインになるブドウの種類

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貴腐ワインは貴腐菌が繁殖した白ブドウから作られますが、
全てのブドウが貴腐ワイン製造に適している、
若しくは可能である訳ではありません。

まず、以下には沢山ある中から、
よく見かける代表的な白ワインになるブドウの種類です。

リースリング(独:Riesling)
オーストラリアやアメリカでも栽培がされるようになりましたが、
何といってもドイツでは最も重要なブドウ種だと言っても過言ではありません。
さわやかな酸味が強く、貴腐ワインにとても向いています。

シャルドネ(仏:Chardonnay)
リースリングと並んで、非常に高貴なブドウと称されます。
世界中で栽培されており、天候には左右されにくい丈夫な種類です。
早く収穫されるぶどうで作られるワインも多いですが、貴腐ワインとしても使用されます。

ピノブロン(仏:Pinot Blanc )
フランスで作られましたが、現在ではヨーロッパ各地で作られています。
リースリングやシャルドネのような高級ブドウには属しませんが、
さわやかなすっきりした味は、辛味のワインに使用されることがほとんどです。

シェネンブラン(仏Chenin Blanc)
フランスをはじめ、世界各地で栽培されています。
酸が多く、貴腐ワインにとても向いています。

ショイレーベ(独:Scheurebe)
ドイツのブドウです。リースリングが派生した一種と言えます。
栽培量は少ないですが、貴腐ワインを作ることが可能なブドウです。

シルバーナ-(独:Silvaner)
オーストリア生まれのブドウですが、現在ではドイツでも栽培が盛んになりました。
さわやかな味のブドウですので、一般的には辛口のワインに加工されます。

セミヨン(仏Sémillon)
フランスをはじめ、チリ、アルゼンチン、
オーストラリア等世界各地で栽培されています。
皮が薄いため、貴腐ワインに向いた代表的なワインにであるとも言えます。

ピノグリ(仏:Pinot Gris)
皮が赤ブドウに近く色が濃いものですが、
出来るワインは黄色がかった黄金色になります。
ドイツやフランスで多く栽培されています。

酸味が少なく、リンゴの香りを思い出すようなさわやかな味です。
このブドウで作られたワインは一般的にアルコール度は高めになります。
以前は貴腐ワインの製造に用いられていましたが、
甘さにコクがあり過ぎて貴腐ワインには適さず、
現在では早期に収穫され辛味のワインに利用されるようになりました。

貴腐ワインの成分

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貴腐ワインを作り出すのは、貴腐菌(灰カビ菌とも呼ばれる)
即ちボトリティス・シネレア (Botrytis cinerea)です。

この貴腐菌は皮の薄い、尚且つある特定の種類の白ブドウに繁殖すると、
その皮を溶かすことによってブドウから水分は蒸発し、
果糖のみが残ることになります。

特定の白ブドウというのは、リースリング種(Riesling)、
セミリョン種(Sémillon)、 シェノブロ種( Chenin Blanc)、
フルマ種(Furmint)等の酸味の強いものです。

これらのブドウに貴腐菌がつくと、
それに対する抗体としてレスベラトロールという物質が作られます。
人間と同じで、腐敗させる菌に対抗する自衛作用です。

理想的な気候に恵まれ、日射も十分に受けて
栽培されたブドウにはレスベラトロールは少ないのです。

貴腐菌、雨そして寒気と戦わなければならなかった
ブドウだからこそこの抗生物質は多く作られます。
このレスベラトロールという物質はポリフェノールという植物成分の一種で、
抗酸化物質です。

昔から赤ワインは体にいいとされてきました。
心臓や血管の石灰化を予防する効果があるのは、
実験で明らかにされています。

この石灰化を予防するのがレスペラトールです。
ブドウが自衛のために作り出すレスペラトールは、
カビ、ばい菌、その他の環境汚染からブドウを守ります。

その他、レスペラトールは人間においては
痴呆症の予防にもなるとされています。

アメリカ国立がん研究所(National Cancer Institute)では
色々な植物の抗がん作用のある物質を研究してきました。

ラズベリー、プラム若しくは梅、ピーナツ、イタドリ(日本産です)等の
72種類の植物からその物質を発見しました。その中でも、
レスペラトールの含有量が圧倒的に多かったのが赤ブドウだったのです。

この赤ブドウに沢山含まれるレスペラトールが、
貴腐ブドウにも同様に多く含まれているということが実証されました。
沢山飲む必要はありません、あくまでもアルコールですから。

しかし、赤ワインに並んで貴腐ワインを健康の伴侶として
生活の一部に取り入れてみるのも悪くないかもしれません。

貴腐ワインにあうおつまみ

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ワインといえば、食事のお供。
そして、ワインのおつまみといえば、チーズ!
貴腐ワインに限らず、チーズのトッピングはワインの味で決まります。

「貴腐ワインにあうおつまみ」を詳しく見る

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